SNSユーザーは“企業”という存在に対して少なからず警戒心を持っており、どれだけ魅力的な商品であっても、広告色の強い投稿はスルーされやすい傾向にあるからです。
そんな中、注目を集めているのが「社員やスタッフ自身が主役となるSNS運用」です。
企業公式アカウントが一方通行の情報を発信するのではなく、実際に働く人の視点で、日々の業務や商品への想いを発信していくことで、企業とユーザーとの距離をグッと縮めることができます。
本記事では、企業が“社員を前に出す”Instagram運用を取り入れるメリットや注意点を具体的にご紹介します。

アカウントに「個人色」を取り入れるのがインスタで大成功する秘訣なのだ!
この記事はこんな人にオススメ
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“社員が主役”のInstagram運用とは?


“社員が主役”のInstagram運用とは、企業ではなく、社員やスタッフ個人が前面に立ち、情報発信を行っていくスタイルを指します。
引用元:https://www.instagram.com/wg_sato/
企業ロゴを掲げたアカウントではなく、「実際にそこで働く“人”」の目線で発信されるコンテンツだからこそ、ユーザーとの距離を縮めることができるのです。
従来の企業公式アカウントは、どうしても堅さが出やすく、商品紹介も“広告感”が強くなってしまいがち。
一方で、社員やスタッフ個人のアカウントは、リアルな声や日常の一コマを自然体で伝えることができ、親しみやすさや信頼感につながります。
例えば、同じ商品を紹介するにしても、社員が「自分自身が愛用している商品」として紹介すれば、ユーザーにとっては企業からの広告ではなく“共感できる体験談”になります。



広告感がなくて良いね!
「社員が主役」のアカウントのメリット


社員一人ひとりの発信が、ブランドの“顔”として機能する時代。
これまでの「企業としての発信」では届けられなかった感情や共感を、社員のリアルな言葉で伝えることができます。
ここでは、社員を前面に出すInstagram運用のメリットを3つご紹介します!
メリット1: 信頼性の高い情報を発信できる
SNSでは、企業が一方的に発信する広告よりも、ユーザーに近い立場の「個人の声」の方が信頼されやすい傾向にあります。特に、Instagramは、あからさまな広告や売り込みが敬遠される傾向が強く、自然な体験談やリアルな感想が共感を呼びやすいです。
企業の思惑を押し付けるのではなく、あくまでも“働いている人のリアルな視点”から発信することで、情報の信頼性が高まります。
メリット2: ファンがつきやすい
商品紹介だけでなく日常のパーソナルな部分をストーリーズで発信することで、フォロワーとの距離がぐっと縮まり、ファン化に繋がります。
フォロワーをファンに変える運用をすることで、「この人、感じが良いな」「この人が紹介している商品なら試してみたい」と思ってもらえるようになります。
引用元:https://www.instagram.com/3coins_junko/reels/
ユーザーは会社そのものよりも、「人」や「ストーリー」に興味を持つものです。人間味を感じられるコンテンツを投稿することで、ユーザーとの距離感を縮めることができます。
結果として、フォロワーからの信頼を獲得しやすくなり、アカウントも大きく成長していきます。
メリット3: 自然で嫌味のないPRができる


広告色が強すぎる投稿は、ユーザーに敬遠されがちです。
特に、企業アカウントが一方的に商品の良さをアピールするような投稿は、「売り込み感が強い」と感じられ、反応が鈍くなることもあります。
また、一般的なインフルエンサーや芸能人によるPRも、「宣伝っぽさ」が強く出てしまい、ユーザーから嫌われる傾向にあります。



げっ!このインフルエンサーPR宣伝してるじゃん…。
好きだったのにな〜。
引用元:https://www.instagram.com/chiro_beautypartner_shiseido/
しかし、社員による発信は“宣伝っぽさ”が抑えられており、ユーザーに受け入れられやすいです。
ユーザーから見れば「社員が自社商品を紹介する」のは当たり前の行動として映るため、違和感なく商品の魅力が伝わります。その結果、投稿をきっかけにブランドへの好感度が高まるケースも多く見られます。



社員の発信は「企業アカウント」と「インフルエンサー」の良いとこどり!
社員がSNSを運用する際の注意点
炎上や誤情報を防ぐためのルール作り
SNSは拡散力が高い分、たった一つの投稿が思わぬ炎上や誤解を招いてしまうこともあります。
社員インフルエンサーの発信は企業の看板を背負う行為でもあるため、投稿内容には細心の注意が必要です。
特に、プライベートに近い内容や個人の価値観が強く出る投稿は、一部のユーザーに誤解を与えたり、センシティブな話題として捉えられてしまうことがあります。
また、社内でSNS運用のマナーや炎上リスクについての研修を実施し、正しい知識と意識を持ったうえで発信できるような教育の場を設けることも効果的です。必要に応じて、投稿ガイドラインを整備し、「NGワード」や「発信のルール」を明確にすることで、リスクを未然に防ぐ体制を構築しましょう。
属人化しないように運用をマニュアル化する


社員インフルエンサーが人気を集め、アカウントが順調に育っていたとしても、その運用が“個人頼み”になっていると、大きなリスクを抱えることになります。担当していた社員が異動・退職してしまえば、それまで築いてきたコミュニケーションや投稿の質が一気に崩れてしまう可能性があるからです。
そこで必要になるのが「運用のマニュアル化」です。
投稿の頻度や時間帯、フォーマット、使用するハッシュタグのルール、コメント返信のトーンなど、運用の基本ルールを明文化しておくことで、担当が変わっても一貫性のあるアカウント運営が可能になります。
また、運用体制をチームで整えることも重要です。一人の社員に任せきりにせず、複数人で役割分担をすることで、属人化のリスクを減らし、より安定した発信ができるようになります
即効性を期待しすぎない


社員が登場するアカウント運用は、広告のようにすぐに数字として結果が出るものではありません。
特に、Instagramではアルゴリズムの影響もあり、投稿を続けていくことで少しずつ評価される傾向があります。だからこそ、継続的にコンテンツを届けること、そして着実にユーザーとの接点を増やしていく姿勢が重要です。



インスタ運用は指数関数的に伸びていくものなんだ!



運用初期状態のうちはとにかく伸びにくいです…。
最低でも半年以上かかると思っておいた方が良いです。
また、ファンを増やすには、ユーザーとの信頼関係を少しずつ築いていく必要があります。そのため、短期間で「売上につなげたい」「フォロワーを急増させたい」といった即効性を期待しすぎると、施策としての評価を見誤る可能性があります。
社員のメンタルケアと社内理解の促進
社員がSNS運用を担う場合、想像以上に精神的な負担がかかることがあります。
日々の発信内容を考えたり、コメントへの対応をしたりといった業務に加え、「自分の投稿が評価されるか」「社内でどう見られているか」といったプレッシャーを感じる人も少なくありません。
実際に、「仕事として取り組んでいるのに、周囲から“遊んでいる”と見られてつらかった」「他部署の社員から心ない言葉をかけられた」といった声も現場では聞かれます。こうした状況を防ぐには、社内での理解を深めるとともに、担当者を孤立させない仕組みを整えることが欠かせません。
例えば、定期的な振り返りの機会を設けたり、複数人での運用体制を構築したりすることで、ひとりに負担が集中しないよう配慮することが大切です。
また、社内向けに「SNS運用の意義」や「発信の目的」を共有し、周囲の社員にも協力を仰ぐことが、より良い運用環境を生み出します。
まとめ
今回は、企業が“社員を前に出す”Instagram運用を取り入れるメリットや注意点を具体的にご紹介しました。
「社員が主役」のアカウントのメリットは以下の3つでした。
ファンがつきやすい
自然で嫌味のないPRができる
企業からの一方的な発信ではなく、“誰かのリアルな体験”や“日常の延長にあるコンテンツ”が求められる今、社員が自社の商品やサービスを自分の言葉で伝えていくことは、他にはない強力なPR手法になり得ます。
もちろん、炎上や属人化などのリスクもありますが、ルールや体制を整え、社員を一人にしない仕組みづくりができていれば、そのリスクは十分に回避可能です。
これからのInstagram運用では、社員やスタッフの力を活かすことが、企業アカウントに新しい価値を生み出す鍵になります。フォロワー数やバズに一喜一憂するのではなく、長く愛されるブランド作りを目指して、“人”の力を最大限活用していきましょう。
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