住宅を購入するというのは、多くの人にとって「人生で一番大きな買い物」と言われる選択肢です。
そのぶん、検討期間は長く、情報収集にも慎重になります。
そんな中で、近年急速に存在感を増しているのがInstagramです。
特に若い世代や共働き夫婦、30代前後のファミリー層は、ハウスメーカーの公式サイトだけでなく、SNSを通じて「実際に住んでいる人の暮らし」や「施工事例のリアルな写真」を参考にしながら、理想の住まい像を描いています。
この記事では、Instagramをうまく活用している住宅メーカーの事例を紹介しながら、企業が取り入れるべき運用戦略のポイントを解説していきます。

インスタを使えば、カタログやチラシでは伝えきれない“ブランドの空気感”を届けることができるよ!
この記事はこんな人にオススメ
住宅業界で成果を出しているアカウント事例を知りたい方
Instagramを活用して契約獲得までつなげたい方
記事の難易度 (初心者向け)
この記事を読めば、できること
住宅メーカーのInstagram運用の成功事例をもとに、自社に活かせるポイントがわかる!
Instagramと住宅メーカーの相性が良い理由
住宅は“住まい”という生活そのものに関わる商品であり、購入を検討する人にとっては、機能性や価格だけでなく「どんな暮らしができるか」というイメージが重要です。



Instagramは、「理想の暮らし」を視覚的に伝えるのにぴったりなSNS!
などといった理由が挙げられます。
Instagramは、単なる写真投稿ツールではなく、住宅メーカーにとっては「暮らしの提案」「ブランドの信頼づくり」「購入までの導線づくり」が一度にできる、非常に有効なマーケティングチャネルです。
住宅メーカーのInstagram成功事例 5選
Instagramをうまく活用して成果を上げている住宅メーカーの企業は多数あります。



インスタ運用が上手なアカウントを5つピックアップして紹介するね!
積水ハウス株式会社


積水ハウス株式会社のInstagramアカウントは、自社の展示場や住宅商品の紹介にとどまらず、実際に積水ハウスで暮らしているオーナー様の投稿を活用したインスタ運用が特徴です。
プロフィール欄には「#積水ハウス」「#積水ハウスファミリー」のハッシュタグ付き投稿を紹介する場合があると明記されており、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を積極的に取り入れる姿勢を打ち出しています。これは、企業目線の発信だけでなく、実際に暮らしている人のリアルな声を取り入れることで、これから家を建てたいと考えるフォロワーに対して信頼性と共感を生む狙いがあります。
引用元:https://www.instagram.com/sekisuihouse/
投稿内容には、モデルハウスの紹介だけでなく、オーナー様の生活風景も多く取り上げられており、「こんな家に住んでみたい」「この暮らし、素敵だな」と自然に思わせるような構成になっています。
ブランドの世界観を押しつけるのではなく、ユーザーと一緒にアカウントを育てていくような運用方針は、今後の住宅業界におけるSNS活用のひとつのモデルケースといえるでしょう。
ヘーベルハウス(旭化成ホームズ株式会社)


旭化成ホームズが展開する「ヘーベルハウス」は、Instagram上での運用において、商品のスペックや性能を訴求するだけでなく、実際の暮らしを感じられるUGC(ユーザー投稿)を活用し、ブランドへの共感と信頼を高めています。
プロフィールには「#ヘーベリアンライフ #ヘーベルハウス の投稿はシェアさせていただく場合がございます!」
と記載されており、ユーザーに自発的な投稿を促す設計に。実際に使われているオリジナルハッシュタグ「#ヘーベリアン」は4.7万件以上の投稿が集まっており、自宅を建てたユーザーがリアルな暮らしを発信する文化が醸成されています。
引用元:https://www.instagram.com/hebelhaus_official/
このように、住宅検討者にとっては“住んだ後のイメージ”をUGCから掴める場となっており、販売側が一方的に語るのではなく、すでに住んでいる人の声が“証拠”として機能する仕組みが整っています。
写真はブランドイメージに合った色調・構図で整えられ、全体として統一感のあるビジュアルが保たれている点も、安心感・信頼感を印象付けるポイントです。
リノベ不動産


「リノベ不動産」は、住まいのリノベーションを手がける企業の公式Instagramアカウントです。
引用元:https://www.instagram.com/renovefudosan/
特徴的なのは、思わず保存したくなる“真似したいシリーズ”の投稿スタイル。「真似したい洗面所8選」や「真似したいガラス扉5選」など、実際の施工事例をテーマごとにまとめた投稿が多く、見ているだけで暮らしの理想が膨らむ構成になっています。


引用元:https://www.instagram.com/renovefudosan/
さらに注目すべきは、投稿の最後に用意されたCTA画像。
「もっと見たい人はプロフィールから事例集をGET」といった一言で、プロフィール欄にある資料請求ページへとスムーズに誘導しています。事例集を手に入れるには、専用のフォームに情報を入力する必要があり、Instagramの投稿からリード獲得に直結する導線が構築されています。
ハイライトでは、事例集の受け取り方やフォームの書き方を短い動画でわかりやすく解説しており、初めて訪れたユーザーにも配慮した設計になっています。
インスタグラムを活用して集客につなげたい住宅メーカーにとって、参考になる運用事例といえるでしょう。
リノベーションサービスDIYer(s)


リノベーションを中心に住まいづくりを提案する「リノベーションサービスDIYer(s)」のInstagramアカウントは、フォロワーとの距離感の近さが魅力です。ストーリーズ機能を活用して「質問コーナー」や「アンケート」を積極的に実施しており、双方向のコミュニケーションを意識した運用が際立っています。
引用元:https://www.instagram.com/diyersjapan/
投稿内容は、おしゃれな施工事例にとどまらず、「不要オプション3選」や「家作りの盲点」など、住まいづくりのリアルなヒントが詰まったコンテンツが多く、実生活に根ざした有益な情報が満載です。
ユーザーからは「このアカウントなら親身になって相談に乗ってくれそう」と感じさせるような雰囲気があり、情報提供にとどまらず、“共感と信頼”を生む運用が徹底されています。
アカウントを伸ばすだけでなく、ブランドへの好意度や相談へのハードルを下げる設計として、非常に参考になる事例です。
BESSの家


「住む」より「楽しむ」をコンセプトに、ログハウスや木のぬくもりあふれる住宅を展開する「BESSの家」は、Instagram上でもその世界観をしっかり表現しています。
引用元:https://www.instagram.com/bess_slowlife/
特に目を引くのは、投稿全体から伝わる「BESSらしさ」。
投稿は、自然の中での暮らしやアウトドアと共に過ごす日常など、ブランドが大切にする“ライフスタイル”にフォーカスした内容が中心です。
ハッシュタグには「#スローライフ」「#木の家」「#ログハウス」など、ターゲットとなる自然志向のユーザーに届きやすいキーワードが多く使われており、Instagram上で同じ価値観を持つユーザーとの接点を自然に生み出しています。
写真もリアルな暮らしの風景が中心で、「こんな生活してみたい」と想像を掻き立てるビジュアルが印象的です。「この暮らし、憧れる」と感じてもらえるような見せ方を徹底しており、共感を軸にファンを増やしていく運用が際立っています。
“誰に向けて発信するのか”が明確だからこそ、狙った層に刺さりやすい。そんなSNSブランディングの好事例です。
事例から見る、Instagram活用のポイント
写真の統一感で世界観をつくる


Instagramはビジュアル重視のSNSです。投稿に使う色味や構図、フォント、トーンなどを一定に保つことで、ブランドの世界観が自然とユーザーに伝わります。
特に住宅は「暮らし方の提案」でもあるため、丁寧に設計された世界観は、ブランドの信頼感にも直結します。
コンセプトに沿ったターゲット設定で、刺さる発信に絞り込む
広く浅く届けるのではなく、「誰に届けたいのか?」を明確にし、そのターゲットに刺さる発信を心がけることが重要です。
引用元:https://www.instagram.com/bess_slowlife/
たとえば【BESSの家】は「自然に囲まれた暮らし」を求める人に向けてログハウスの魅力を伝えており、フォロワーにとっては「まさに自分の理想を形にしてくれるアカウント」と映ります。
万人受けを狙うよりも、狭くても確実に“刺さる”発信を重ねていくことで、ブランドに共感してくれるコアなファンが増えていきます。
オリジナルハッシュタグを活用して、UGCを促進する


ユーザーがブランドに参加できる仕組みを作ることで、自然とUGC(ユーザー生成コンテンツ)が増えていきます。
オリジナルのハッシュタグを活用することで、実際の住まい手による投稿をブランドの一部として活かしています。プロフィール欄に「このハッシュタグ付きの投稿は紹介させていただく場合があります」といった一文を添えることで、投稿を促しやすくなり、ファンとの双方向のコミュニケーションも生まれます。
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ユーザーの検索行動を意識したハッシュタグ設計
ユーザーの多くは、ハッシュタグ検索を通じて理想の家やデザインを探しています。
検索キーワードの傾向を意識したハッシュタグ設計にすることで、投稿がAIにジャンル認識され、関心を持ちやすいユーザーの発見タブや検索結果に表示されやすくなります。
ターゲット層が普段どのような言葉で住まいの情報を探しているかを考え、投稿ごとに最適なタグを組み合わせることが、効率よくリーチを広げるコツです。
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CTA画像を差し込んで、行動(資料請求・予約)を自然に促す
投稿の最後に「お問い合わせはこちらから」など、CTA(行動喚起)を加えることで、ユーザーを次のステップへ誘導できます。


引用元:https://www.instagram.com/diyersjapan/
ただ写真を投稿するだけでなく、「投稿→プロフィール→お問い合わせ」と自然な流れを設計することで、Instagramが魅せるための場から、売上や集客につながる起点へと変わります。
まとめ
今回は、Instagramをうまく活用している住宅メーカーの事例を紹介しながら、企業が取り入れるべき運用戦略のポイントを解説していきました。
住宅メーカーにとって、Instagramは単なる“写真投稿の場”ではありません。住まいづくりに興味を持つユーザーとの出会いから、共感の醸成、問い合わせや資料請求といった次のアクションまでをつなぐ「顧客接点」としての役割を果たします。
成功しているアカウントの多くは、ターゲットとなるユーザーの関心や悩みに寄り添いながら、世界観をしっかりと打ち出し、プロフィールや投稿を通じて自然に「資料請求」や「来場予約」などにつながる導線設計を整えています。
今後も住宅検討者の情報収集においてInstagramの影響力はますます高まっていきます。「見てもらうだけ」で終わらせず、“住みたい”につなげるアカウント運用を目指しましょう。
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